百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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みゃーこ湯のトタンくん

みゃーこ湯のトタンくん/スケラッコ ミシマ社

 

子供の頃は、もちろん漫画ばっかり読んでいた。ジャンプとかそういった週刊誌を毎週買って読む、ということはしなかったけれど、友達から聞くなどして気に入った漫画は単行本で買って、読んだ。「浦安鉄筋家族」と「グラップラー刃牙」は私にとっての二大漫画で(両方チャンピョンコミックスだ)、友達がドラゴンボールとか幽遊白書とかスラムダンクとかワンピースとかを好きだというのと変わらないテンションで、バキや小鉄が好きだと思っていた。

 

時を経て大人になってから、漫画をほとんど読まなくなったのは、どのタイミングだったか、マンガばかり読んでても子供のままで頭が良くならないよ、という言葉を鵜呑みにしたからだと思う。いまなら、冷静にそんなことはない、マンガからも学ぶことはたくさんあるよ、と思うのだけれど。本書のようなマンガは、例え大人であっても、何か栄養になりそうな雰囲気を醸し出している。

 

猫が当たり前のように銭湯で番頭をしている。お客さんもみんな猫。実在する都湯がモデルだからみゃーこ湯。しゃれが効いている。人間と猫が普通に交わりあうそんな異空間に、惹かれる。