草の辞典/森乃おと 雷鳥社
何冊かある雷鳥社の辞典シリーズで、もっとも実用的で、身近な物ものの知識の習得に役立ち、知的好奇心を刺激してくれるのが本書だ。外を歩いていれば誰もが目にする雑草。その雑草ひとつひとつに当然ながら命があり、名前がある。その名前を頭に入れることができたら楽しそうだという想像、きっと誰もがすることだろう。かばんに一冊秘めていて、道で見かけた草に目を奪われたらそっと取り出して調べてみる。新鮮な本との向き合い方だと思う。
春夏秋冬、各季節の草花が写真付きで紹介されている。そのほとんどが、見かけたことはありそうだけれど名前なんて知らなかった、というものだ。「アザミはスコットランドの国花」とか、「ハルジオンとヒメジョオンの違いは茎の中が空洞かどうか(空洞なのがハルジオン)」とか、思わずへぇと言いたくなる知識がたくさん詰まっている。