百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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オリジナル包み紙 紙選び

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本を包んで贈るための包み紙を、オリジナルでつくりました。ブックカバーではなく、包み紙です。既存のものでも良かったのですが、自営業で長く本を届けるサービスをしていくにあたり、自分だけの包み紙がどうしても欲しくなってしまいました。「オーダーメイドでつくりたい欲」というやつです。この欲をもっているのは、自分だけなのでしょうか・・・?

 

包み紙のデザインを、紙文具作家の久奈屋に無茶を承知で相談したところ、快諾してくださいました。久奈屋の紙文具の、古風ななかに長く使いこなせる愛らしさのあるデザインが好きです。

 

hisanaya.net

 

モチーフは私から提示しました。モチーフはずばり「杜子春」。これについての詳細は次回に譲るとして、今回は紙選びの話を。

 

紙は、「書籍用紙」「ハトロン紙」「やわ紙」「クラフト紙」「エンボス加工紙」の5種類を提案してもらいました。試作品を見比べて、雰囲気や手触り、包んだときの透け感などを考慮して選びます。

 

表面がツルツルしていて光沢がある「ハトロン紙」は、シンプルですし、和菓子屋の包み紙などでよく見かけるポピュラーなもの。しかし私が本を包むにあたってはツルツル感よりザラザラ感、ゴツゴツ感の方が欲しかったので、除外しました。素材感という点では茶色いクラフト紙も良いのですが、それであればもっと自然な風合いが欲しいと思い、これも除外。ブロック状のエンボス加工を施したものは、さりげなく凝っていてオリジナリティを表現できると思ったので迷ったものの、逆に包み紙として主張しすぎはしないだろうかとも思い、捨てがたかったのですがこれも泣く泣く除外しました。

 

ベージュの書籍用紙とごぼう色のやわ紙の二択で、実際に文庫本を包んで比較してみました。どちらもきれい。書籍用紙は主張しすぎないベージュ色で、ほのかに本の表紙が透ける程度。一方やわ紙は紙の繊維がランダムで美しく、触ったときのザラザラ感も好みです。どっちにしようかしばらく悩んだ結果、久奈屋からの「複数お選びいただけます」という助言もあって、何も1種類に絞る必要はないと気づき、両方としました。絵柄、インク色は同じで、紙質だけ異なる2種類展開です。

 

ついにオリジナルの包み紙が手元に届き、大興奮。これから大事に使っていきますので、よろしくお願いいたします。