百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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おにぎり屋の包み紙

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自宅の近くに、おにぎりの美味しい米屋がある。ただ、私にとってここは米屋というより(米を買うこともあるけれど)、おにぎり屋と言った方がしっくりくる。毎日朝早くから手作りのおにぎりを並べていて、前職では、職場に行く前に昼食を買うことも多く、ずいぶんお世話になった。そしていまの家に引っ越してからも、おにぎりを食べ続けている。個人的な好みは鮭と鱈子、そしてハンバーグだ。

 

3個くらい買うと、おにぎりを入れたプラスチックの透明容器を、包み紙で包んでくれる。手際よくさっと包む、その所作が美しい。それを、袋をもらわずにそのまま受け取り、かばんに入れるのが好きだ。すぐ近くの事務所に行くだけなら、かばんにいれずそのまま手に持っていても良いくらいだ。

 

生々しさを隠し、買った喜びを倍増させるという、包み紙が持つ効果がストレートに伝わってくる。たくさんある具材が一目で分かるというのも嬉しい。

 

もし自由が丘で、包み紙で包んだおにぎりを手に持ったまま歩いている男を見かけたとしたら、それは私だ。