百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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「包装紙と箱のデザイン」

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好きでよく読んでいる雑誌「&プレミアム」のバックナンバーをぱらぱらとめくっていたら、包装紙に関する連載があってびっくりした。購読するようになってからだいぶ経つけれど、こんな連載があるなんて知らなかった。「京都さんぽ部」によるコーナー「&Kyoto」の一部で、和菓子屋や漬物屋などの包装紙に焦点をあてて紹介している。包装紙や箱。お店にとってのその歴史を垣間見れるこの連載、目の付け所がすごく良い、と今更だけれど感じている。

 

何冊か所有しているバックナンバーのそれを比べるように読んで、共通しているのは、どのお店の包装紙も、長い期間、お店の矜持を示すものとして使い続けているということだ。先代がデザインしたものをそのまま使っているとか、当代がリニューアルしたとか。昔の自分だったら包み紙なんて無造作に破いてすぐ捨ててしまっていた。その包み紙に自身を凝縮させてそれを長く使う、そのスケールの大きさに驚く。昔はホームページなんてないから、包み紙に店名や電話番号を記している。その包み紙を見て予約の電話を入れる、ということも多いだろう。お店を象徴する柄が人の脳に焼き付いて、和菓子であれば美味しいといった喜びと一緒に、記憶に深く刻まれる。

 

そんな立派な包み紙がほしい。いや、つくるんだ。包み紙をつくろうと動き出して良かったと、雑誌の一連載を見て安心した。