百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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散走読本

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散走読本 自転車の新しい楽しみ方/LIFE CREATION SPACE OVE編 木楽舎

 

3年半ほど前、自転車を買った。ロードバイクというやつだ。当時、ロードバイクに乗っている仲間が周りにいて、勧められ、流れに乗った。慣れないうちは、サドルが尻に馴染まず痛かった。それでも、自分の足で移動する行動範囲が一気に広がったのは嬉しかった。当時住んでいた千葉の市川から職場の自由が丘まで往復したときは、さすがにしんどかったけれど。

 

自由が丘に越してきて以来、自転車はそばにいるものの、乗りこなすまでには至っていない。電車で移動することに慣れたいまの環境がそうさせているのか。

 

本書「散走読本」を読むと、自転車は乗ることそれ自体が目的ではなく、あくまで目的地を楽しむための「手段」であることを痛感する。自転車「を」楽しむのではなく、自転車「で」走ることを楽しむ。車では一瞬で通り過ぎてしまう街の風景を、ちょうどよいスピードで味わいながら走る。それが散走だ。だからわたしがいますべきことは、散走を楽しみたい!という動機が沸き起こるのを待つことだ。