「包み紙」が好きだ。だから包み紙を使いこなしたい。何を包む?もちろん、本を包む。
包み紙と聞いて思い浮かべるのは、百貨店。和菓子売り場でちょっと高級な和菓子を買うと、ざらざらした紙で包装してくれる。帰宅してその包み紙を開けて広げる時のワクワク感がたまらない。包み紙で覆っていて中身が見えないことが、そのワクワク感を増幅させているように思える。
自宅近くの米屋でおにぎりを買った時。おにぎり3個を入れた透明のパックを、包み紙で無造作に包んでもらう。紙でくるんだだけなのに、一瞬で格式が高くなるように感じる。バッグに入れずにそのまま手に持って歩いたって、様になるだろう。肉屋で総菜を買った時もそうだ。生々しい中身を上品に隠しつつ、使っているのはただの紙。その質素さが良い。
本を取り上げ、良さを伝え、手渡す。そのプロセスの中に「包み紙」を介在させたいと思ったのは、自然な流れだった。あまりやっている店がないというのも後押しになった。ブックカバーとは違う。ブックカバーは、表紙を覆ってそのまま読むものだ。わたしが扱いたいのは、包装紙。本にもうひと手間与えてワクワク感を生み出す。そうやって手渡しできたら素敵だと思う。
百日紅と太陽の、オリジナルの包み紙をつくる。それが目下の目標だ。実はいま、その実現に向けて動いている。オリジナル包み紙ができるまでのストーリーと、わたしが好きな包み紙について、話をしていきます。