Michi/junaida 福音館書店
今年も残すところあとわずか。クリスマスで賑わうこの時期になると、1冊の絵本を思い浮かべる。
3年前。クライアント(コーポラティブハウスの管理組合)主催のクリスマス会に参加した。恒例のプレゼント交換では入居者がプレゼントを持ち込み交換する。わたしはjunaidaの「Michi」を選んだ。そのプレゼントが当たった入居者に喜んでもらえ、「センスいいね」と予想外にほめていただいたことが、いまの自営につながっている。本を届けるという行いを独立した自分の仕事とすることで、そのときの快感を生きがいへと昇華させたい。そう思った。
「Michi」は迷路のように入り組んだ空間がページ一面に広がる不思議な言葉のない絵本だ。ところどころに、いろいろな状況の人間がいる。その中の一人と自分とを重ねて、では自分はどうやって道を進んでいこうか、と考えるのが楽しい。
わたしはこの絵本を自分用に手にしたことがない。今後も手にしないでおこう、誰かに贈るためだけの絵本にしようと決めている。これまでそんな私の身勝手を受け止めてくださった方、ありがとうございます。この本が、あなたの進む道を拓くきっかけとなりますように。