百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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紙さまの話

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紙さまの話/大平一枝・著 小林キユウ・写真 誠文堂新光社

 

柚木沙弥郎、平野甲賀、枡野俊明。さまざまな立場の人によってつくられた「紙」にまつわるストーリー。ダイレクトメールや紙袋、ショップカードなど、ともすれば見落としがちな、紙によってつくられたプロダクトの美しさを、それを扱う人の想いとともに再認識する。紙に対して「紙さま」とつい言いたくなる、紙をいとおしく感じる一冊。

 

編集者・嶋浩一郎氏とモレスキンの手帳との関わりが興味深い。本を読んで気になった文章に付箋を貼って1か月寝かせる。1か月後に、その気になったことを手帳に書き込んでいくのだという。カテゴリー分けをせずどんどんと箇条書きしていった手帳には、びっしりとアイデアの種が詰まっている。やるべきことを忘れないように、ただただ手帳にTO DOを殴り書きしていたサラリーマンの自分を思い出した。手で書いたことはなんとなく脳に定着しやすく感じるし、書いていて気持ちが良い。仕事の質の向上に少なからず貢献してきた紙の手帳やノートは、数年分まとめていまも保存している。