百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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2021年10月21日

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朝、寒くなってきたことに若干の憂鬱を感じながら、でもこうやって季節が移ろっていく流れに乗るのがなんだか心地よいんだよな、と気を取り直して、歩いた。見上げると、澄んだ空気に青い空、そしてふわふわと漂う雲が。きれいだな。これだけで芸術だよな、と思う。ちょうど手にしていた本は吉田篤弘「雲と鉛筆」。「雲は実に頼もしいものです。われわれが失くしてしまったと思い込んでいたものを、全部吸い上げて、『ほら、ここにある』と見せてくれるのですから」という言葉どおり、雲は遠い向こうからこちらに向かって、くっきりと、その輪郭を示してくれている。