百日紅と太陽

  真夏の太陽に向かって枝を伸ばし、花を咲かせるサルスベリのように。自分の成長を実感できるような読書体験を届ける本屋です。

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THROUGH A LIFE

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THROUGH  A LIFE/TOM HAUGOMAT

 

文字のない海外絵本で、宇宙飛行士を志すひとりの男の一生を描いている。ページ見開きの左ページに彼の様子、右ページに彼が見る風景、というレイアウト。彼の人生が進むにつれていろいろな景色が見えてきて、その経験が宇宙飛行士を志すきっかけになったのか!と驚いたり、家族に何かが起きそうで胸がソワソワしたり。まるで少しづつ動くコマを見ながらストーリー展開を想像していくパラパラ漫画のように、ひとりの男の人生がコマ送り状に動いていく。

 

絵だけで淡々と進むストーリーの中に、彼の人生の濃さ、長さを見る。もし自分のこれまでの人生、見てきた風景をこのように絵の集合体で観ることができたら、と考えると、面白そうである一方、なんの変哲もなさそうだから観なくていいや、とも思う。